6/8
眠い。ただただ眠い1日。明日最終日の展示があるにも関わらず店は落ち着いていた。展示の動員に店の売上もかなり左右されるので結局フェアやら仕入れやらを頑張っても来場者数が少ないなら売上なんかどうしようもねえじゃん、とどうでも良くなる時がある。テナントのつらさ。
退勤してもまだ外が明るい。それだけでなんだか救われる気持ちがある。
帰宅してご飯を炊いている間に風呂を済ませたのでえらい。
ごろごろしたりちょっとした事務仕事をしたりなどして1時前に就寝。
6/9
昨日久々にFrank muller(a.k.a. beroshima)を聴いたらもうテクノしか聴きたくないぜとなってしまいずっと聴いている。
店は終日落ち着いていた。展示最終日でこの穏やかさ。展示が終われば次の展示の売り場作りで忙しくなる。
午後からなんだか精神の調子が悪く、ぼーっとしながら帰る。しかし帰宅してすぐ風呂を済ませた。そのあとご飯を食べながらYouTubeで無料公開中の黒沢清『回路』を観る。作品自体は前にも観ている。インターネット黎明期という感じで時代を感じるけど、ちゃんと怖い。でもあるシーンでプリンターから文字がプリントされまくった紙が印刷されてるところがなんだか笑ってしまう(幽霊めちゃくちゃ丁寧に教えてくれるじゃんって思ってウケてしまう)。
あと終盤の方で好きな台詞があって、そのシーンを改めていいな〜と思う。
なんかSNSやらYouTubeやら、情報を入れすぎているのかもしれない。いろんなことが妙に悲しくなってきて無意味に起き続けてしまい、結局2時過ぎに寝た。
6/10
ごみ出しをしてからまた眠ってしまった。14時ごろようやく起きる。黒沢清『Chime』をレンタルして観る。人がおかしくなるのはわかりやすいきっかけばかりじゃなく、それは自分自身でも気付かないところで何かが影響する。そしておかしくなり始めているいうことに自分では気づかない。抑圧された根底的な欲求であったり自分が把握してなかった感情が引き起こされる。『cure』にも通じる部分があるなと思う。黒沢清の映画は殺人やその行為を1カットで静かに捉えることが多く、それが演出過多であったり劇的でない分、すごく人間の心の動きに忠実というか、恐ろしく感じる。わかりやすく叫んだり騒がしくなくて、本当に人ってこんな感じであっさりとあっけなく死ぬのかな、と思わせてくる。
メイキングも観たけど黒沢清の雰囲気が穏やかだからか現場の空気感がいいなと思う。出演者の方々もみんな黒沢さんは穏やかで…とてもいい現場で…と話しているのだが、じゃあ他の現場は基本的に怖いところなんだ…とも思ってしまった。
夜はまた佐藤真の本を読んだり。23時くらいから青空文庫で読み途中にしていた芥川龍之介『坑夫』の続きを読んでいたら途中でやめられなくなってしまい、1時にようやく読み終わり、寝る。
昔の小説というのは情景や心情の描写がしつこいくらいに細かく執拗に書かれている。映画だったら数秒のシーンが、文章だと文字だけでどこまで読む側の気持ちを動かすことができるかにこだわりを感じる。『坑夫』は実際シンプルな話なのだと思うが、そこに主人公のどこか言い訳がましく読める心情がつらつらと書かれていれて、現代の小説や映画に慣れているとまだその段階なんかい!と声を出しそうになる。しかしそれまでの過程はすごく濃密なのに、最後はあっさり数行で時間が進んで唐突に終わる。でも現実もそんなもんだよな。明確な終わりなんかなくてそれでも人生は続く、というか。
6/11
先週から店のPCのメールが見られなくなっているのだが、日曜日に会社のサポートセンターにメールした返事が返って来ていて、目黒の分社にあるネット環境で設定し直さなくてはならないとのことだった。数年前に会社が吸収合併されてからPCのセキュリティ関連が本当に煩雑になっていて、設定する必要が出る度に社内ネットワークでやってください(分社にあるネットを使って設定しろということ)、と指示される。今回も渋々目黒まで行くことにした。電車賃も出ないので歩いて行く。アルバイトの子に日傘を借りた。
分社はこういう時しか行かないので店舗勤務の私はオフィスに入るセキュリティカードを貰えない。社員なのに毎度受付で名刺を見せて入館証を借りてさらに別の部署でセキュリティカードを借りてようやくオフィスに辿り着く。めんどくさい。今まで大きい会社で働いたことがない身からするとオフィスビルの雰囲気というのが非常に苦手で、それもあっていつも行く時は憂鬱になる。
重たい空気の中存在が浮いている自分はこそこそLANケーブルを繋いでPCの設定をする。しかし全然うまくいかない。店のPCと個人のPCを2台並べて2時間くらい色々試す。とりあえずここでできることはここまでだ…と諦めてまた歩いて店に戻る。
午後も精算やらPCの設定やらばたばたとしていたらあっという間に閉店。明日は図録の搬入と打ち合わせがあるので既に大変そうな気配。しかし定時で退勤。
退勤して菅泉さん高山さんと恵比寿にあるびっくり寿司(こういう店名なのである)でお寿司を食べる。昔はなんでみんな寿司が好きなのか意味わからん、魚と米じゃん、という理由であまり寿司が好きじゃなかったが、最近は割とおいしく食べている。そのあとドトールでお茶。
帰宅して、部屋が妙に暑くてなかなか寝られない。しかしまだクーラーの出番じゃないだろう、と窓を開けたが風は全く通らない。
6/12
家が暑い。電車の中も暑い。今日は午前中から図録の納品準備やら打ち合わせやらなんやらで昼の時点でもうぐったりしていた。美術館の人にもなんか顔色悪いんじゃないですか!?と言われたがもともとこういう顔である。
スタッフ全員がぐったりして閉店。
帰宅してご飯食べてぼーっとしてたらLINEが来たので見たら21時からだと思ってた東川のオンラインの打ち合わせが20時からになっていた。慌ててPCを立ち上げる。1時間ほど話してレジデンスの応募者に質問メールの文面を考えて送ったりなどする。
そのまま横になりしばらく動けなくなる。よろよろと起き上がり諸々を済ませ、1時半くらいに寝た。
6/13
遅番の日。曇っているのに暑すぎて店に着くまでに汗びっしょりになる。
相変わらず店のPCの設定がうまくいかない。本社の人とメールでお互いうーんうーんと唸りながら色々試してみるも全てだめだった。
店は終日がらがらだったがオンラインのミーティングや事務仕事でばたばたとする。
退勤してスーパーに寄って帰宅。明日は休みだからとだらだらと起きてしまい3時に就寝。
6/14
11時ごろに家を出て逗子へ向かう。長い電車の中で保坂和志『言葉の外へ』を読み返す。
13時ごろ篠田さんと合流して、バスで神奈川県立近代美術館(葉山館)へ向かう。バスの窓から差す太陽光で右腕だけが熱い。
吉田克朗展、初期の大きい立体作品とシルクスクリーンの作品がかっこよかった。以前からもの派の作品に惹かれているのだけど、なんで惹かれているのか自分でもずっとわかっていない。ものと対峙する自分(作家)との関係項。ものと向き合うことで自分の存在を再確認する。この辺りをもっと掘り下げて考えてみたい。今日は買わなかったが水声社から図録と制作ノートの本が出ていたので読んでみようかな。同時開催されていた斉藤義重の展示は「位相-大地」の制作風景が撮られた写真のスライドがあったんだけどなんかみんな楽しそうに作業してて青春ぽくてよかった。もの派の時代の作品はどれもシリアスだけど人々の空気感はそういうわけでもなかったのかな。(そもそももの派という言葉自体後になってつけられたみたいなことも何かで読んだけど)
展示を観て砂浜へ向かう。海の家が建設されていて、ショベルカーが砂浜にいる風景がなんだかよかった。
そのあと美術館の隣にある葉山しおさい公園に行って博物館で葉山周辺にいる生き物の模型や資料を見た。天皇の研究資料も展示されていた。
逗子に戻ってととら堂へ行き、古本で前から気になっていた「最初の悪い男」を買う。そのあと野毛へ。22時ごろまで飲んだ。久々に結構飲んだけどそこまで酔わなかった。帰りの電車ですぐ座れたのでしばらく寝てしまった。
6/15
毎朝毎朝、アナウンスなしでしれっと10分くらい電車が遅延するの、本当にやめてくれ〜と思う。ぎりぎり出勤時間に間に合った。
土曜日にも関わらず平日よりもがらがらな1日だった。基本的にレジカウンターに立ってPCで仕事をしているが普通に立って寝そうになる。
仕事の合間に地下でやっている「WONDER Mt.Fuji」展を観た。展示構成や参加している作家などを見て、お金のかかってそうな展示だなあと思う。
退勤までの時間が長く感じた1日だった。明日から3連休なので普段よりも退勤に開放感がある。
部屋が暑すぎてエアコンの除湿をつけてしまった。6月でこれだとすでに電気代が恐ろしい。