思考焼却炉
虚しさは列を成すだろう、俺は全て1人づつ抱きしめる。
遠くに行ったお前を呼ぶ声は俺の声だったか?
アパートの横に実をぶら下げた木は誰が回収するでもなく、ただ点としての色彩がそこにあった。野良猫は素通りして今日も己の毛皮を舐めている。
決して手に入らないことを信じながら宙を舞う手、ひとしきり済んでから攪拌に満足する。
生きたくない、と思いながら飲み砕く白米はいずれ己を後悔させる。過多なのだ、と呟けば、だからだね、と耳元で囁く声。今日も律儀に責め立てる。
付け焼き刃の性、片目をつぶっていたってわかる。
スマートライフ断る術なし、今宵もよろしくねって電波伝わる前に言う。