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You know damn well what i mean

 

全て内面の話である。

期待したり、希望を持ってしまったり、もしかしたらどうにかなるかもしれない、と思ってしまった時、そんな時に金属バットを持った自分が現れる。ヘラヘラしたもう1人の自分の頭をフルスイングする。殴りまくる。ふざけんな、何調子乗ってんだ、お前にそんな権利あるわけねえだろ、と叫びながら殴り続ける。痛めつけられている自分は抵抗せず殴られ続ける。時々殴られている自分が消えそうな声で「自分には◯◯になる資格はないのか」と言っているが肝心な部分が聞こえない。聞こえないけど知っている。何故ならその言葉を発する自分も自分自身だからだ。それを聞いて更に強く殴りつける。大抵言い放つのは「お前はそれを自分から諦めたんだろ」だ。そうなのだ、もうこれ以上傷つきたくないから全部やめることにしたのに、なんで何度も何度も何度も何度も殴っても殴っても殴っても殴っても同じことを言っているんだ。ゾンビみたいだな。生き返り続けるなら殴り殺し続けるしかない。繰り返してどうにかやっていくしかない。これだけ繰り返しているともう生きているのか死んでいるのかわからない。殴られても笑うことしかできない。こんな血塗れなのに顔だけは笑ってるんだな、と他人事みたいに思う。もっと素直に嬉しいこと、楽しいことに向かって行けるならよかった。でもどうしてもそれを目前にすると背を向けて暗い道を全速力で走って逃げたくなる。あまりにもまぶしくて、そこにいたら自分なんかが消えてしまうんじゃないか、存在する必要なんてないんじゃないかと思うと、暗い中にいた方がまだいい。何度かは頑張って向き合おうとした。しかし、結局自分からめちゃくちゃにぶち壊してしまう。他人に刺される前に自分で自分を滅多刺しにして逃げた方がまだいいなんて考えてしまう。気がつけば誰もいない。もうずいぶん遠くに行ってしまったんだな。

散々痛めつけて自分から吐き出された血に縋っている。己の体内から生み出されたもの。痛みを伴わないと自分の感覚すら信じられない。それは酷く矮小的で自己中心的であるが、誰かにそれがわかってもらうためにやってるわけじゃないだろう。自分が何に対してどう感じているのか知りたくて、他人からしたらしょうもない、かっこ悪い、恥ずかしいものを生み出している。

もうわかるとかわからないとか、そういうところで見切りをつけられたり自分という存在を把握されたように思われることに疲れた。ただそうわかりやすくいることは楽でもあるから、無意識にそういう風に振る舞っている自分がいることは否定できない。何かにつける名前、名称、ジャンルは全部呪いだよ。自分が生まれた時につけられる名前だってそうだ。一生背負わないといけない。自分の名前は好きじゃないからなるべく言わない。

頭の中でもう一回自分を殴り殺してから寝ます。さようなら。