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それでも眼を開け続けなくてはならなくて

 

外の雨の音を室内でひとり聞いているときに思い出すのは春特有の中途半端な生ぬるい空気でした。完全さより曖昧さにどうしようもなく感情を揺さぶられてしまう。何を投影しているのかなんて本当はよくわかっている。外の様子を窓を開けずに想像します。した。車は走っていない。誰も歩いていない。もしかしたら誰も住んでいない。まるで遠くの空間に投げ出されたように、ひとりになることに集中します。した。歯を食いしばることに慣れすぎてしまいました。食いしばれる歯が破壊される可能性も鑑みずに今日もぎゅっ、と奥歯に負担をかけました。もう誰も入り込まないように。口を開くことが誰かの悪であると知ってしまってからこのままひとりで死んだほうがいいと考えたりもします。ですがどこかでこの口をこじ開けてくれる舌が、唇が、あるのではないか、という甘ったれた思考を捨てきれず、今日も布団に入って律儀に悪夢を待っています。ほとんど覚えていないんですけどね。でも確実に脳内に巣食っているので朝起きると吐き気がくるのでしょう。飲みきれていないお酒を飲みきるまで何か書こうとブログのページを開いたがコップの中のお酒は減らずもう随分何かを書くことから離れていたせいかここまでの文字を打つのにかなりの時間がかかってしまった。何を話していても何を書いていても全部嘘っぽい。作ってきた短歌、それっぽい言葉を並べているだけなんじゃないか、とふと思った瞬間何もかもわからなくなってしまった。耳障りのいい、人の関心を惹くことだけが目的なのか、と気づいてしまった。結局自分のためだけ何かを作るなんて無理だったのだろうか。誰かに大丈夫だよと言われるためだけに作るものは虚しい。もう知っていたはずだったのに。

全部嘘だったのか?